
製造業DXを支援するフューチャーアーティザンの挑戦
―まずは、貴社の事業内容について教えていただけますか。
川上 : フューチャーアーティザン株式会社は、主に製造業向けのシステム開発やコンサルティング、AI・IoTソリューションの提供を行っています。もともと横河電機のグループ会社として、長年にわたり製造業のお客様と共にものづくりの現場を支援してきました。
その後、2017年にフューチャーグループの一員となり、2025年には旧社名「株式会社ワイ・ディ・シー」から現在の社名へと変更しました。現在は、「日本の製造業との共創により、サステナブルな社会を実現する。」というパーパスを掲げ、データ活用やDX推進の支援を通じて、製造現場の革新に取り組んでいます。
―皆さまの担当領域についても教えてください。
樋口 : 弊社の営業部は2つのグループに分かれており、私はそのうちの1つを統括しています。営業チームでは、製造業のお客様を対象に、データ活用基盤『YDC SONAR』をはじめとしたソリューションを提案しています。現場データの活用によって業務改善や生産性向上を支援しており、その支援先を見つけて案件化へとつなげる活動に取り組んでいます。
川上 : 私はもともと技術者として、提案からデリバリーまで一連の工程を担当していました。現在は営業技術という立場で、技術的な視点からお客様に導入のポイントや要件定義の考え方などをお伝えする役割を担っています。
矢澤 : もともと営業職としてお客様対応を担当しており、その後マーケティング部に異動して約2年間、リード獲得を担当していました。現在は再び営業に戻り、マーケティングから受け取ったリストを基に、案件化へとつなげていく役割を担っています。
コロナ禍で見えた営業課題。ブランド再構築への挑戦
―リバイバル主催のIoTカンファレンスにご協賛いただく以前、営業活動をする上でどのような課題を感じていましたか。
矢澤 : コロナ禍でリアルイベントが軒並み中止となり、オンライン開催へ切り替えましたが、どうしてもリードの「量」と「質」が落ちてしまった時期がありました。弊社で独自にWebセミナーを開いても、参加者が思うように集まらず成果に課題を感じていたんです。
また、いくつかオンライン展示会にも出展しましたが、弊社のターゲットとしていないお客様の割合が多く、リードの精度という点でも課題がありました。
―新規のリード数が思うように取れないことが課題だったのですね。
川上 : そうですね。そしてもう一つの課題はブランディングでした。弊社の主力製品『YDC SONAR』は品質解析のパッケージという印象が強く、「DX推進」「スマートファクトリー化」という文脈で正しく認知されていないと感じていたんです。機能的にはもっと幅広く活用できる製品なのに、その価値が十分に伝わっていないことがもどかしかったですね。
樋口 : 樋口 さらに、私たちは2025年1月に社名変更(旧YDC→フューチャーアーティザン)を経て、ブランドを再構築していく必要もありました。お客様に「YDC時代からの信頼感」を引き継ぎながら、新しい社名でも認知を広げていく。その両立が大きなテーマでした。
“信頼できる紹介”から始まった初出展、社内を動かした説得のプロセス
―リバイバル主催のIoTカンファレンスを知ったきっかけを教えてください。
矢澤 : 当時、業界内のマーケティング担当の方と情報交換をしていた際に、「エンドユーザーの新規リードが多く取れるイベントがある」と紹介いただいたのがきっかけです。
実際に、「約1,000件の新規リードを獲得できた」「参加者の多くがマネージャー以上の役職者だった」といった話を伺い、質と量の両面で成果を得られるイベントなのだと感じ、強く興味を持ちました。もしその紹介がなければ、正直、案内資料を見ただけでは他社のオンラインイベントとの違いは分からなかったかもしれませんね。
ただ、信頼できる方からの高い評価だったこともあり、カンファレンスへの協賛に対しては不安はなく「これは間違いないだろう」という確信がありました。
―社内ではスムーズに決まったのでしょうか。
矢澤 : いえ、そこは苦労しましたね。当時、社内ではオンラインイベントへの出展がまだ一般的ではなく、前例のない試みとして慎重な声も多くあったんです。 私は営業からマーケティングに異動したばかりで、リード単価などの考え方にもあまり馴染みがなく、どう社内を納得させるかを考えました。
最終的には、「何件受注できれば費用が回収できるのか」という数字を示して起案しました。「リード単価がこのくらいで、〇件取れればペイできる」という具体的な試算を出すことで、社内の理解を得られました。
1,000件の新規リードと高いアポ率。ナーチャリング効果も期待
―実際にカンファレンスに協賛されてみて、印象はいかがでしたか。
矢澤 : 初回の参加で約1,000名分のリストをいただきました。そのうち6割以上の方が弊社セッションを視聴してくださり、関心度の高さを感じましたね。外部のインサイドセールスにもフォローコールを依頼したのですが、「他のイベントよりもアポ率が高い」とフィードバックがありました。
川上 : 参加者には大手製造業の方が多く、マネージャー層以上の割合が高かったのも印象的でしたね。弊社のソリューションは高価格帯のため、意思決定層と直接コンタクトを取れること自体に大きな価値を感じました。
―新規のリード獲得という点で成果を感じられたのですね。
矢澤 : はい。非常に満足しています。ただ、弊社の商材は即効性があるタイプではなく、通常は半年から1年、それ以上の検討期間を要します。
実は、初めてカンファレンスに参加した際、たまたま導入検討を進めていたお客様とリーチでき、数か月で案件化した事例もありました。そのため2回目以降、期待値が高まったのですが、コンタクトを取った後に案件化・受注まで結びつける設計という点では、まだ自社の改善余地があると感じています。
―樋口さんはどのように結果を捉えていますか。
樋口 : どうしても短期的な成果に目が行きがちですが、私は長期的な視点での価値が非常に大きいと感じています。そもそもカンファレンスというのは名前の通り、意見交換や人脈形成の場でもあります。実際、弊社の講演をきっかけに資料をダウンロードいただいたり、後日「あの時のセッションを見ていました」とお声がけをいただくこともあります。
そうしたつながりが生まれること自体が、大きな効果だと思っています。特に、意識の高い大手製造業の方々や役職者層と接点を持てる点は、とても価値がありますね。
また、継続的にカンファレンスに参加することで自社ブランドの浸透にもつながります。ブランディングとナーチャリングの両面で成果を感じており、今後も継続的に取り組んでいきたいと考えています。
登壇と協賛がもたらす、長期的な価値
―では最後に、カンファレンスの協賛に迷われている方へのメッセージをお願いします。
矢澤 : 自社の事業とカンファレンスのテーマが合致しているなら、エンドユーザー系の質の高いリードが得られるのは間違いありません。そこが一番の魅力だと思います。自社だけではなかなかリーチできないお客様に出会える機会として、一度参加されてみてはいかがでしょうか。
川上 : 私自身、カンファレンスに登壇したことがきっかけで、業界専門誌の出版社の方から、直接本の執筆をご依頼いただいたことがあります。当時は多忙でお受けできなかったのですが、登壇を通じて「自分自身のブランディングにもつながるのだ」と実感しました。カンファレンスは、単に会社としての発信の場にとどまらず、個人の成長にもつながる貴重な機会だと感じています。
樋口 : 樋口 もし“案件化”だけを目的にするなら、他にも方法はあると思います。ただ、それ以上に大切なのは、登壇や協賛を通じて会社全体のプレゼンスを高め、メンバー一人ひとりの価値を上げていくことです。そうした積み重ねの中で、自然と良いご縁やビジネスの機会が生まれていくのだと思います。
また、私たちは常にハウスリストを更新し続けなければなりません。リストはいずれ枯渇し、古くなってしまうもの。だからこそ、新しい接点を生み出し続ける“新陳代謝”の場として、こうしたカンファレンスを継続的に活用していくことが大切だと思います。
リード数を800件獲得し、狙ったターゲットにアプローチできた
「製造業IoTカンファレンス」